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変わるために、変わらないものを選ぶ。

変わるために、変わらないものを選ぶ。

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― 生成AI時代における、私たちのブランディング論 ―

人工知能との向き合い方と、ブランディングの本質

かなり久しぶりの更新となりました。
私たちはこれまで、新規営業よりも既存のお客様との関係性を大切にしながら歩んできました。一方で、生成AIが急速にデファクトスタンダードとなり、その進化が指数関数的なスピードで進んでいることを、日々の業務の中で強く実感しています。この変化を前に、いま改めて、私たち自身の役割と立ち位置を言葉にする必要があると感じ、本稿を記しています。

人工知能は「答え」ではなく、「加速装置」である

弊社でも生成AIはすでにフル活用しています。ネーミングの初期ドラフト、コーディング補助、仮デザインの生成、ホワイトペーパーの下書き。多くの工程で効率化が進み、アウトプットの精度も確実に向上しました。選択肢を瞬時に提示し、完成に近い状態を短時間で可視化できる。これは間違いなく、大きな進化です。しかし、それらをそのまま最終成果物として採用することはありません。将来的には、生成AIをより高度に使いこなし、成果物そのものをAI主導で納品する時代が来るかもしれません。それでも私たちが重視するのは、常に「プロセス」です。

価値は、デジタル化できない領域に宿る

課題設定、優先順位の整理、関係者間の合意形成。そこには人間関係の機微や、これまで積み重ねてきた歴史、共有された記憶があります。これらは、いまだデジタル化できない領域です。だからこそ人が介在する価値があり、その上で生まれる成果物は、限りなく精度の高いものであるべきだと考えています。精度を高められるのであれば、手段として生成AIを使わない理由はありません。納期が短縮され、品質が向上し、生産性が上がっているのも事実です。

便利さだけが、正解ではない

インターネットが生まれ、スマートフォンが当たり前になった現代。確かに便利になりましたが、ときどき、ポケベルの時代のほうが良かったと感じる瞬間もあります。便利であることと、豊かであることは、必ずしも一致しません。それでも、時代の歩幅に合わせて変わることは不可欠であり、その柔軟さこそが価値であることを、時代そのものが証明してきました。弊社では、FAXこそ使いませんが、創業以来ずっと年賀はがきを書いています。お客様の顔を思い浮かべながら、一年の感謝を伝える。そうした行為は、今でもアナログであるほうがふさわしいと感じています。すべてをDXするのではなく、それぞれにとって最適な手段を選ぶ。私たちはこれからも、その判断を丁寧に積み重ねていきます。

新規のお客様へ

ここ数年、弊社はご紹介のみ、かつ要審査での受付としておりましたが、上記の理由から、今後は弊社側からお声がけをさせていただく可能性があります。不特定多数への営業メールやフォーム送信は行いません。差出人や連絡経路をご確認いただき、弊社からの正式なご連絡であることが確認できた場合に限り、機密保持契約を締結した上で、対話のお時間を頂戴できれば幸いです。

既存のお客様へ

弊社のリソースは限られており、急な増員を前提とした体制ではありません。品質を維持するためにも、無理な受注拡大は行わず、営業活動は慎重に行ってまいります。営業部を設ける予定もありません。これからも、変わらぬ信頼関係のもとで、価値提供に集中していく所存です。引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。

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「採用ブランディング」の落とし穴

「採用ブランディング」の落とし穴

優秀な人財が集まらない売り手市場のいま、この状況を打破すべく各企業では様々な施策が検討されています。その中でも特に「採用ブランディング」が注目を集めています。
企業の人事部・総務部・広報部で働く方、採用担当者は、「採用力」強化のために「ブランディング」をしていきたいという声を上司から聞く機会が増えているようです。
会社の上層部では「ブランディング」の必要性を感じている方が多くなっている一方で、いまでも「ブランディング」への認識が漠然としており、その指示をうける担当者も、何をどのように進めて良いのか分からない方が多いのが現状ではないでしょうか。
そんな疑問にお答えするべく「採用ブランディング」とは何か、ブランディングの視点で採用を考える際に注意すべき点についてお伝えしたいと思います。

「採用ブランディング」とは何か

まず、世間でうたわれている「採用ブランディング」とは何でしょうか。優秀な人財を確保するために、求職者に対して戦略的に情報発信することによって企業のイメージを向上させ、優秀な人財に「この企業で働きたい」と思ってもらい、優秀な人財を採用すること。これが基本だと思います。
「戦略的に情報を発信する」とは、他社と差別化を図り、企業の「USP(つよみ)」やその企業「らしさ」を抽出し、かつターゲットに刺さる情報をコントロールして発信していくことです。具体的には「採用サイト」を作り、その中で求職者に刺さる「採用コピー」や「採用コンテンツ」を製作・掲載し、「採用ブログ」や「SNS」で発信していきます。
お店の外装を綺麗にすれば、一時的にでもお客様が増えるのと同じで、求職者にとっても古臭いホームページよりは、かっこいいホームページの方が応募したくなるでしょう。もちろん企業のUSPが分かり易く表現され、魅力的な社員が働く様子を伝えることは、求職者だけでなく、顧客への印象も良いものとなるでしょう。
しかし、そんなうわべだけのことで、採用を考えて良いのでしょうか。

「人」が一番難しい

私自身、ブランディングという仕事をしていて思うことは、ブランディングという切り口で映像・企業サイト・パンフレットなどの紙モノなどさまざまな施策の結果として最終的に行きつくところが「人」だということです。
素敵な受付のあるオフィスに変えて、ホームページの見栄えを良くしても、肝心の社員と会社のあるべきブランドイメージとが乖離していたのでは、一向に企業のブランド価値は上がりません。表層的な「デザイン」を変えることは比較的簡単ですが、「社員」をあるべき姿に近づけていくこと、またあるべき姿に近い人財を獲得することが、もっとも難しく企業にとって重要なことです。

「欲しい人財」と「本質的に必要な人財」との乖離

「採用ブランディング」に落とし穴があると感じている理由は三つあります。一つ目は、採用担当者や社長が欲しいと思っている人財を獲得することを目的として「採用ブランディング」は行われますが、その「欲しい人財」が採用担当者や社長の独善的なイメージであることが多く、会社にとって「本質的に必要な人財」と乖離している可能性があるからです。

「選考」の難しさ

二つ目の理由は、企業の経営戦略を考えた上で「本質的に必要な人財」が明確に出来たとしても、実際に応募してきた人財の中から必要な人財を選考する際に、「この人が必要な人財だ」と感覚的に選ぶため、実際に働き始めたら「思ってた人財じゃなかった」ということが往々にして起きてしまうからです。また、選考にSPIなどの適正検査を導入していたとしても、企業側にそれをしっかりと読み解く力がないと効果はありません。

「定着」の難しさ

三つ目の理由は、晴れて「本質的に必要な人財」が採用出来たとしても、いざ働き始めたら既存社員との相性が合わなかったり、理想化された「採用サイト」を見て入社したけど、実際の社員や職場環境に大きなギャップを感じ、定着せずに辞めてしまうことが多いからです。
つまり、企業の経営戦略をしっかりと分析し、会社の風土や既存社員の思考方法や傾向を把握した上で、会社にとって「本質的に必要な人財」を見定め、その「人財を獲得するために適切な情報を発信する」ことで、人財が集まり、SPIや面接などを通してその人財を見極めて採用し、更には既存社員や会社の風土も経営戦略上の「あるべき姿」に近づけていくように様々な施策を行うことで、「本質的に必要な人財」が定着しやすい職場環境になり、これを繰り返し行うことではじめて、会社自体が「あるべき姿」に近づいていきます。
こうした活動を通してはじめて「採用ブランディング」と言えるのではないかと私たちは考えています。

「採用ブランディング」の落とし穴とは

会社が「あるべき姿」に向かっていく「ブランディング」において「採用」を考える上では上記のような一つ一つの行程が必要であり、一方、世の中で広まっている「採用ブランディング」は上記の中の「人財を獲得するために適切な情報を発信する」の部分のみしか行っていない。その不完全さが、私が「採用ブランディング」には落とし穴があると感じている要因です。

これでは、「人」と「企業」のミスマッチを防ぐことは出来ません。
次回はより良い「採用」のために具体的に何を行うのか、ブランディングの視点で紐解いていきたいと思います。

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